2016年11月21日月曜日

Workers 古いローロッパのハンティングジャケットを元にした"FCD Jacket, Heavy Corduroy"

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今季の店主一押しジャケットWorkersの古いローロッパのハンティングジャケットを元にした"FCD Jacket, Heavy Corduroy"をご紹介します。



ヨーロッパの古いコーデュロイのハンティングジャケットを元に解体し、気になった硬すぎる部分、芯や肩パットは省き、らしさを残したい部分では芯を使っています。
それが襟裏で、ここに別布を使うことで薄く仕上げる。
でも薄い分硬さが足らないので芯を入れるのですが、久しぶりにワラ芯を使いました。

現代では芯というと、接着がついていたり、それが洗うとはがれてフラシになったりといろいろ工夫されていますが、昔の洋服は単純に硬い何かを中にはさんだり、縫いこんだりしていました。

キャンバスや馬の毛で作った生地、そしてワラ生地などが典型的な芯。
そんな中で、今回はラフな形、素材に合わせてワラ芯を。

襟裏にギザギザステッチと、襟腰に何重にもステッチを入れ芯を止めつつ襟の形を作っています。

シルエットもオリジナルを解体して取ったフロントが曲がり、前身頃肩先が倒れていく物。

デザインだけでなく、形自体もオリジナルの雰囲気を再現しようとしています。


今回はクラシカルなコーディネートですが、元がハンティングジャケットなだけにアウトドアスタイルはもちろん、全体的にはクラシカルでシンプルなジャケットなのでワーク、ミリタリーなとなど…合わせる物を選ばず幅広いコーディネートが可能です。
今季のアウターとして使えること間違いなし。

参考にしたのは、おそらくフランス製だろうというハンティングジャケット。 ただ私の好みで、羽襟の先が前中心に寄るのが好みでは無く(フレンチハンティングでは定番なのですが)ワイドスプレッドカラー気味にしています。
第一ボタンまでしめるとワイドスプレッドのように左右に開き、開けるとまた印象が変わります。

襟裏は別布で切り替えています。この中にワラの芯を使っていて、別布に縫い付け。さらに、その端は千鳥ミシンで始末をして折らずにたたく。本来はこのあたりは、手でやっていた部分ですが、それをミシンでできる限り再現しています。裏襟の身頃付け側を折らないで済む分、薄く仕上がります。

裏地の中心にいれたゆとり。襟ぐりと裾の中心にゆとり(タック)を入れています。今回使ったコットンでかなり厚みのあるスレキになると、裏地がつれると着心地が悪かったり、最悪どこかで切れてしまうことがあります。それを防ぐため、表よりも大きい(幅のある)裏地をつける。後ろ中心に縫い目があればそこでつけることもできるのですが、デザイン状縫い目が無い。ということで、タックにして上下に入れています。

胸には玉縁+フラップポケット。参考にしたオリジナルは両ポケットでしたがアレンジで左胸のみに。完全に好みの世界ですが、私がどうも4つポケというとハンティングにせよ、カバーオール(レイルロードジャケット)にせよ、実用ジャケットに感じます。今回のFCD Jacketはハンティングジャケットを参考にしながらも、あくまで普通のジャケットとして着られるように作りたかったので、定番仕様の3つポケットにしました。 

腰は左右、脇よりに玉縁+フラップポケット。ここもフラップ裏はスレキ切り替えで厚みを抑えています。

前端のカーブ。懐かしの、WORKERS初期製品 でもやっていた、クラシックなジャケットでおなじみのライン。本来は、胸周りのゆとりを出すため、前身肩先とセットで考えてのラインだと思います。今回のジャケットでも、前端だけでなく肩先も出す。それを戻しながら、後身ごとと縫うことで胸周りにゆとりが生まれています。(このゆとりを顎ダーツで丸みにしてしまうのが古いNAVYのPコートですね)

左右内ポケットあり。細めの玉縁。ネームもクラシックな物を。量産は右わきにサイズスタンプが入ります。

袖裏もスレキ使い。キュプラよりすべりは悪いので、袖幅・肘幅ともに太目にしています。袖口もカフスや開きをつけるか悩みましたが、オリジナルのシンプルな作りと同じ、三巻に裏地流し込みとしてました。




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