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今日はWORKERSのマウンテンパーカーをご紹介します。
デザイン自体は昨年とほぼ同じですが、ファスナーが金属から軽さを意識して“ビスロン”ファスナー変わっていたり、生地はいつものベンタイルに加え今回40/60クロスが登場したり、スナップもロゴ入りになり、よりアウトドアウェアらしい雰囲気に仕上がっています。
マウンテンパーカーは中にセーターにしろジャケットにしろ、一番上に着るもの。なので、ネック周りはある程度ゆったりと作ります。
ファスナーを上まで上げたとき、肌に虫が触れないようにチンガードをつけています。表生地が60/40クロス・ベンタイルと薄手なのでコーデュロイで切り替えて適度なハリと厚み、また肌さわりのよさを。
フードをかぶった状態。モデルは中にシャツ・ジャケットを着た上にパーカーを着ています。よほど頭が大きくない限りかぶれます。
これが地味に大変だった豚鼻。既製品が無く、金型を作って別注で作りました。
マウンテンパーカのフードに入る紐(スピンドル)、本来もう少し細いナイロン製のものがほとんど。でも、ここはもう少しクラシックな物を使いたいと、コットンワックスコードを使っています。これがナイロンコードよりも太く、既製品の豚鼻には入りませんでした。
で、そうなると作るわけですが、ここで以前革製品を作っていた経験が生きてきます。裁断機はある、抜き型も頼める。そして革は某カバン屋さんからハギレを提供してもらい作成。今では、革製品はあまり作らなくなりましたが、やはり商品開発したときの経験や設備が今になって生きてきます。
オリジナル刻印を入れたスナップボタン。
脇のポケット。左右からは手が入ってハンドウォーマーに。
二重構造のポケット、上側フラップのあるメインの荷室。
ハンドウォーマーポケット、手の甲側はコーデュロイ。手触り良く、暖かく。
ハンドウォーマーの端にはカンヌキ止め。一番力がかかる部分は、身頃裏にテープを当てています。ただ、それでも思いっきり力をかければここは壊れやすい部分です。
なぜか、人はハンドォーマーポケットに手を入れたままポケットを引っ張るような動きをしがちですが、長持ちさせたければ、ハンドォーマーに手を入れたら引っ張らない、です。
右胸ポケット。こちらもマチあり。
ポケット本体は身頃から浮いています。これは先ほどの、ハンドォーマーつき二重ポケットも同じ。
パターンで見ると良くわかります。身頃のポケット付け位置に対して、ポケット本体を大きく作っています。これが、あのゆとりになります。物も手も入れやすい。
右胸にはファスナーポケット。ちょうどiphoneが入る大きさ。
袖口は、私は勝手に「ヤンクカフス」と呼んでいる、もともとはワークシャツのBIGYANKでおなじみ、Relianceが特許をとっていたものから着想を得ました。
袖に適度なゆとりができる。開きは無いので袖まくりはできませんが、アウターであれば袖まくりの必要も無い。本当に良くできた仕様です。
フロントはビスロンファスナーのダブルジッパー。
身頃左裏には内ポケット。右利きを考えて左身頃側にのみつけています。ポケットはつければつけるほど、便利にはなりますが、生地も必要になる、つける工程数も増える。服自体も重くなる。
WORKERSではデザインするときに「どうやったら、最低のポケット数で様々な機能が得られるか」を考えるようにしています。
10個ポケットをつけて10機能が上がるよりも、5個しかないけれど7機能ある、そんなデザインを目指しています。それが、二重ポケットであったり、以前のサマーフライトで四つポケットのひとつを袖に移動させてiphoneポケットにしたりといった考え方です。
60/40クロス・ベンタイルともに撥水性があります。どちらも緊密に織った生地に撥水加工を施しています。
実際使ってみた感覚では、60/40クロスの方が撥水性は高い。ベンタイルは霧雨、粒の小さい雨には弱い。あくまで「いざというときの撥水性」。出張のとき、地下道から出て5分ぐらいまで、軽い雨のときはといった感覚。それ以上歩く、雨が強い、そんなときは傘も使ってください。
あくまで、クラシカルな撥水素材で、現代の超撥水なアウトドアウェアとは比べ物になりません。その分、生地が生地らしいというか、ぱりぱりした化学繊維100%とは違う風合い、手触りです。
遊びにお仕事に。
完成度が高く色んな場面に活躍してくれる事間違いなしなアウターです。
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