2016年12月5日月曜日

Workers K&T H MFG Co ウールライクなコットン素材を使用したジャケット “Lounge,Brushed Herringbone”

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は暖かかったですね。
そんな日にオススメなワーカーズのジャケット“Lounge,Brushed Herringbone”をご紹介します。


生地はウールのような見た目のコットン素材Brushed Herringbone。
双糸(糸を二本よった)を高密度のヘリンボン織りで生地厚を出し、さらに、それを起毛させることでこの独特のコットンでウールライクな表情のある生地になっています。
まったくちくちくしない、ふわふわの肌触り。
巻き縫い、パッカリングといったラフな、着こんで変化していくアメカジ的楽しさをこのジャケットに込めています。

パターンの特徴は袖。サイドから見ると前に振り、さらに前から見ると前中心に向かってもカーブしています。これはハンガーで吊った状態でも同じ。吊った状態で見て美しく、着た時には人間の立体的な腕の動きに追従して動きやすく、静止した状態では立ち姿が美しくなるように作図しています。


WORKERSの定番、Lounge Jacket。細かなディテールは変わりますが、ベーシックなブレザータイプのジャケットです。
一見ウールのような起毛をかけたコットンヘリンボン。
ラペルを少し太く、ゴージーラインも下げてちょっとやぼったい雰囲気に。フロントの返りも三つボタン上二つがけに変更しています。

Brushed Herringboneの風合い。緊密に織ったヘリンボン、起毛前も見てみましたがこの段階では見るからに「ごつい綿のヘリンボン」。これに表・裏、両面起毛をかけることで柔らかな風合いが出てきます。

胸はパッチポケット。
大見返しもあるので、箱も出来るのですがあえて3パッチにしました。
ポケット付けはダブルステッチ。中縫いポケットをやろうかと思ったのですが、本体はぎあわせに巻き縫いを使うのでここはあえてラフなダブルステッチ+カンヌキという仕様にしました。

フロントは少しカッタウェイを強く。ポケットはサイドについているのでまっ平らな状態では全体が見えません。このあたりも同じジャケットでもカバーオール(レイルロードジャケット) やワークウェア的ジャケットとは型紙が違う部分です。
背中心、巻き縫いではぎあわせています。
縫い目をまたぐようにつけたフラップポケット。
この縫い目を無くしてしまって袖ぐりからのダーツにする事も出来るのですが、悩んだ末今回も縫い目を残しました。
この後の大見返しを縫い目に止める工程もあること、またダーツにするとそれを倒すステッチが必要です。今回は、全体的に巻き縫いやダブルステッチを使ってステッチを見せる、そのステッチのパッカリングがデザインであるという考え方なのであえて身頃の切り替え・巻き縫いを残しました。

「大見返し」。 前身頃の裏にある見返し、これを上に行くに従って大きくしています。前身頃と同じ形で作る方法もあるのですが、下の方はカーブさせ見返しを身頃から外しています。

Brushed Herringboneはどうしても起毛している分、袖に引っかかりを感じます。そこで、袖裏にベンベルグを抱かせています。


こういった感じでワーカーズのジャケットはこだわりつつ、毎年微調整を懲り返しシルエットやディテールなどの完成度の高さは抜群です。

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