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早速ですが、年明け2021年1月2日 午前0時頃 (1月1日の深夜24時頃)全国一斉発売のスペシャルなアロハシャツをブログにてお知らせをいたします。
販売ページ(2021年1月2日 午前0時以降商品が見られます)
唐獅子牡丹(からじしぼたん)と名付けられたこのアロハシャツは、1930年代後半に和装用の更紗(サラサ)生地で作られた非常に希少な作品。
アロハシャツが流通し始めた初期の頃、浴衣の生地を用いて仕立てられたものと考えられています。
サンサーフでは2001年に一度復刻していますが、この20年間お客様より沢山の再発の声が多く、メーカーさんも満を辞してこのタイミングでの発売です。
以下詳しい商品説明です。
今回の再復刻にあたり改めて生地やプリントを解析。
生地についてはヴィンテージに基づき、紡績や織りのみならず、独特のシワ感まで忠実に再現した。プリントについても友禅にみられる「防染」や、色をぼかして滲ませグラデーションを表現する「たたき」と呼ばれる手法を駆使しており、日本の高い捺染技術で鮮やかな朱赤に刷り上げられた唐獅子が強い存在感を放つ。
また当時、ハワイで日系のテーラーが手がけたハンドメイドの丁寧な作りも特徴。和装の生地は通常のシャツ生地よりも狭幅であるため、背中心で2枚の生地を接ぎ合わせる仕様となっている。日系移民の所有していた浴衣をリメイクしたものか、浴衣用の反物を使って作られたものかは不明だが、アロハシャツ草創期の歴史を紐解くうえで非常に貴重な逸品といえるだろう。
狩野永徳 「唐獅子図屏風」 制作年代:桃山時代(16世紀)
葛飾北斎 「七福神の獅子舞」 制作年代:天保5年(1834年)頃
このアロハシャツのモチーフになっている唐獅子(からじし)とは、西洋のライオンをモデルに、東洋で美術的に図案化された伝説上の動物。巻き毛の鬣(たてがみ)を蓄えた勇猛な姿が特徴。日本美術にも古くからみられる意匠で、疫病を祓い新年を祝う正月行事の「獅子舞」や神社仏閣を守護する「狛犬」などとも関係が深い。また着物をはじめとした和服にも用いられてきた絵柄であり、唐獅子柄の着物は縁起の良い柄として正月に着ることが好ましいとされている。
唐獅子は牡丹(ぼたん)と組み合わせ「唐獅子牡丹」として描かれるが、これには理由がある。百獣の王である獅子の唯一の弱点。それは身体に寄生する害虫。この「獅子身中の虫」を活動させないための薬が牡丹の花に溜まる夜露であり、それゆえ「百獣の王」である獅子には「百花の王」である牡丹が欠かせないのである。また「獅子に牡丹」という構図は能楽の演目「石橋(しゃっきょう)」にもみられ、「梅に鶯」「紅葉に鹿」「竹に虎」などと同様に、調和のとれた美しい組み合わせとして日本古来から扱われてきた。
ヴィンテージアロハシャツ 「唐獅子牡丹」(写真左) 制作年代:1930年代後半
サンサーフが所蔵する数多のヴィンテージアロハシャツのなかでもこの「唐獅子牡丹」は特に人気が高く、2001年の復刻以来、20年に渡って多くの復刻リクエストが寄せられてきた。そんな折、茅ヶ崎市美術館とともに「ヴィンテージアロハシャツの魅力」展を開催することが決まり、その展覧会での展示を機に、再復刻を決定。本展覧会の企画がスタートした2019年初夏から準備を進め、約1年半という時間をかけてついにリリースとなる。
サンサーフ・スペシャルエディション 「唐獅子牡丹」 2021年モデル
今回の再復刻は前回の焼き増しではなく、その復刻のスタンスに大きな違いがある。2001年の復刻では経年変化して褪色し、エイジングしたヴィンテージの風合いを忠実に再現した。対してこの再復刻では、改めてヴィンテージの生地やプリントを解析し、本作がデッドストック(新品未着用の状態)で発見された場合の風合いを想定している。つまり、これから愛用していくことで生地やプリントを経年変化させ、自らのエイジングを楽しめる作りとしているのである。
「防染」を駆使してプリントされた唐獅子の図案
今回の再復刻では、前回からプリントの型(版)をすべて作り直している。渦巻く獅子の毛並みは、友禅にもみられる防染(ぼうせん)を駆使して細やかな線を表現しつつ、プリントが明瞭な箇所と、滲んで線が潰れた箇所をあえて作り、絶妙な加減でコントロールすることで、よりヴィンテージに近いリアルな仕上がりとなっているのが特徴。
色味についてもヴィンテージは経年や日焼けで褪色しているが、今回はデッドストックの色味を再現してやや濃色の配色としている。また生地ついてもヴィンテージではシボが消えかかっているが、新品時を想定して凹凸を強調し、涼感のある仕上がりとしている。
「たたき」で牡丹の花弁のグラデーションを表現
獅子の「朱赤」と牡丹の「紫紺」がメインとなった配色だが、どちらの色も単色ではなく、濃色から淡色まで複数の版を使って摺り重ねている。また同系色のプリントをあえて重色させ、通称「たたき」と呼ばれる手法で部分的にぼかし、滲ませている。こうすることで色のグラデーションを作り、版の数以上の中間色を表現しているのである。
絵柄を彫った型(版)を1色ずつ摺り重ねていくアロハシャツのプリントにおいて「明瞭で力強い線を表現する箇所」と「ぼかしや滲みで淡いグラデーションを表現する箇所」を両立させる。これがいかに難しいことかは容易に想像できるだろう。当時の日本の捺染技術へのこだわりが伺える作りであり、何度も試作を繰り返してようやく完成に至った。
ヴィンテージにはラベルが無いため、サンサーフスペシャルエディションのラベルが付く仕様。ボタンはヤシの実から削り出して作製したココナッツボタン。生地はシボ感のあるコットン100%の更紗(サラサ)生地。和装用の狭幅の反物を再現して使用しているため、背中用の生地は横幅が足らず、ヴィンテージと同様に背中心で生地を継いだ作りとなっている。
人気が予想されますのでピンときた方はお早めにどうぞ。
販売ページ(2021年1月2日 午前0時以降商品が見られます)